2013年3月11日月曜日

バルサに欠けているリーダー

バルサの急落を受けて、元選手や監督、そして各分野の専門家がその原因を分析している。

ペップ・マリ (スポーツ心理学者):

この世界に入ってほぼ25年。現在はバルセロナにあるスポーツ心理センターのセンター長を務めているその分野のエキスパート。

「バルセロナには、リーダーがおらず、自分の能力に自信が持てていないのです。ビラノバ監督の不在は、周囲からの批判にさらされる今だからこそ、影響を与えているのです」

「チームの一体感を高めるために、ローテーションが有効になるかもしれません。選手全員を同じレベルに揃えることではありません。それは、不可能なことですし、良くないことです。しかし、自分の存在が重要なのだと感じるはずです。また、複数の戦術を採用すべきです。効果があるでしょうし、そうでなくても悪い所が見えてきます。辞書を引くと「自信」の対義語は「不安」です。スポーツの世界でそれは悪にあたります。また、リーダーシップは不可欠です。もちろん、距離が離れていても、練習は観察できますが、その場でチームを先導することはできません。チームから躍動感がなくなていきます。ジョルディ・ロウラ監督代行は、アシスタントコーチの役回りを捨て、チームのリーダーとして振る舞うべきです。そのためにクラブは相応のポストを与えるべきでしょう。そうすれば、ロウラ自身も努力し、そして選手も彼を助けようとするはずです。試合中に何度も電話を受けていれば、リーダーシップを発揮できないのは当然です」

オリベル・マルティネス(スポーツ心理学者):


スポーツ心理学に携わって17年。
現在は、プリメーラやセグンダでプレーする選手数人をクライアントに抱え、監督への助言も行っている。
ロセイ会長は、ビラノバ不在からひと月経ったころに、ビラノバ監督の不在の影響を指摘したが、同氏の見解は異なる。

「そういうことではありません。もちろん、ビラノバ監督の不在は大きいですが、周囲から批判にさらされているからこそ、そう感じるのです。単に、重要な試合が重なったからこそ、そう思うのです。例えば、グラナダやサラゴサとミランやレアル・マドリーは別物です。それに、チーム内の役割は完全に分業制であり、バルサ自体が何年も前から研究されてきたチームであることもポイントです」

「周囲からは、集中力やアグレッシブさの欠如を指摘されていると思いますが、何もバルサは試合に勝つことを放棄しているとは思いません。だから、自信が崩れているという話ではないと考えています」

「リーダーが不在である今、チーム内で強化を図らなければいけません。キャラクターの際立つ選手が何人もいるわけですから、チャビ、プジョル、ピケ、マスチェラーノらがチームを引っ張っていく必要があります」

セスコ・エスパル(04~07まで、バルセロナのハンドボールチーム監督):

リーダー不在のバルサが機能するにはどうすれば良いか、と尋ねられるとエスパルは間髪入れずに次のように答えた。

「監督のポストを欠くわけにはいきません。そこは選手では穴埋めできません。リーダーシップを振る舞うことと、練習を指揮することは別物ですからね。解決策としては、ロウラが正式な監督の座に座り、誰かがその彼をサポートすることです。グアルディオラが監督だった4年間はビラノバがアシスタントを務め、今シーズンから、ビラノバが監督に昇格すると、ロウラがアシスタントのポストに入りました。しかし、今はロウラ1人しかいません。ロウラを支える人が必要です」

なお、ここ数日は選手たちから、「とてもやる気になっている」という旨の発言を聞くことが多いが、エスパルは額面通りにこれを受け取っていない。

「普段以上のやる気をもって試合に臨むことが解決を導いてはくれません。この言葉はつまり、『しばらく、強度の高い練習をしていなかった』ということの裏返しです。むしろ、この言葉を聞ければ、問題ないと判断できあす。この言葉こそ、表に出てくるべきなのです。強度の高い練習にもう一度取り組まなければいけません。なぜなら、ここ数試合はダイナミズムが低下しているのが明らかですし、それは全て日々の練習が発端となっているからです」

選手たちがもっと責任感を持つべきか?という質問に対して、エスパルははっきりとこう答えた。

「選手たちには、監督の役割を務めることはできませんし、それを求める必要はありません。彼らの役割はプレーすることで、チームを調整することではありません。彼らはそのやり方を知らないのです」

http://www.marca.com/2013/03/09/futbol/equipos/barcelona/1362824657.html


0 件のコメント:

コメントを投稿