2012年6月22日金曜日

戦力外選手たちの長い夏 (レアル・マドリー)

EUROの熱狂をよそに、静かに進む移籍市場。
とはいっても、欧州危機により銀行の倒産を避けるのに必死なスペインでは、
気前の良い話は聞こえてこない。

また、どのクラブも財務省への多額の負債があり、
それが解消されないようであれば、リーグへの登録抹消というペナルティを食らうという法律も
昨季終了直前に議会で可決されたばかりだ。

サポーターに夢を与える選手リストを眺めるよりも、
財務指標を片手にソロバンを弾く上層部の姿が目の前に浮かぶ。

また、選手たちも出場機会と給与とを天秤にかけて、
決して長くはない今後の選手キャリアについて、思案を巡らす。

昨季、4シーズンぶりのリーグ優勝を飾ったレアル・マドリーでは、
2016年まで契約を延長したモウリーニョ監督のスタメン固定化がしばらく続くことが明らかで、
この夏も控え選手たちの長いオフが予想されている。

すでに、ガゴ(昨季セリエAのローマへレンタル)、
ラッサナ・ディアラ、アルティントップ、リカルド・カルヴァーリョの4人は
クラブから戦力外を言い渡されているが、現時点でその後の身の振り方をはっきりさせつつあるのは、前者2人だけだ。

彼らは、クラブとの契約を残り1年残しているが、
チームのプレシーズン開始(7月15日)までに、
クラブとの契約解消を実現させたいと希望している。

これにより、他クラブとの移籍交渉を容易にし、
より条件の良い新契約を勝ち取ることが可能になるからだ。

一方で、クラブは彼らの希望をただ黙って鵜呑みにすることはない。
移籍市場がクローズするまでにまだ2ヶ月もあり、
それまで少しでも満足のいくオファーを待つというのが、
少なくない投資をした者としての最低限の使命だ。

とはいえ、モウリーニョ監督は昨シーズンもそうであったように、
戦力とみなさない選手については、キャンプに動向させないことも厭わないため
クラブ側は、そう遠くないうちに何らかの解決策を提示する必要がある。

クラブ~代理人~選手の3方向が納得いく形を見出すことが
かなり難解なことであると分かっているにも関わらず・・・
移籍金を下げてオファーを待つのか、
はたまた契約を解除し、戦力の整理を早めに進めるのか、
注目されるところです。

*ちなみに、リカルド・カルヴァーリョに関しては、
 34歳の高年齢に、昨季ほとんど試合に出なかったという低実績があるため、
 レアル・マドリー加入時の800万ユーロを、幾らか回収できるだけでもマシなのかもしれません。


http://www.marca.com/2012/06/21/futbol/equipos/real_madrid/1340276400.html

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